寒川神社流鏑馬に行ってきました。

2025年9月19日、寒川神社にて執り行われた流鏑馬神事に行ってきました。
流鏑馬は、古くは武家社会において弓馬術の鍛錬と神仏への奉納を兼ねて行われてきた伝統行事であり、寒川神社の流鏑馬神事は、例祭の前日九月十九日に、天下泰平と五穀豊穣を祈念して行われ、其の歴史は古く鎌倉時代より、小菅家(神戸と称す)に於て奉行を奉仕してきたが、昭和四十一年九月より武田流司家金子有鄰に依頼して、一門による流鏑馬を御奉納頂き、昭和五十五年より、弓馬軍礼故実司家武田流第三十五代金子家教氏により奉納され、当神社神職も門人として奉仕に加わっている。

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▶神事式

  • 出陣 :奉行が鳴らす「寄せの太鼓」を合図に射手や諸役一同が神門前に集合。
  • 願文奏上・鏑矢奉献 :神前に鏑矢を捧げた奉行は天長地久の祈願を述べた後、鏑矢を頂戴して退場。

▶天長地久の式(五行の乗法):馬に乗って左に3回、右に2回中央で馬を回転させ、鏑矢を弓につけて天と 地に向かって満月のように弓を引き天下泰平、五穀豊穣を願う。

▶その後馬場へと向かい

・奉射:馬場には的が3つ並べられており、射手は馬を全速力で走らせつつ、腰に差した鏑矢を取り出して重藤の弓にはめ、的を順番に射抜いて馬場を走り抜ける。
 的は一尺八寸四方の檜板に網代を編んだもので、その表面に白紙を貼り青黄赤白紫の5色の円形の的が 描かれていて背後には季節の花が飾られている。

・競射 :的は土器2枚を合体させて作り、中に色とりどりの切紙を仕込む。矢が当たると土器は割れて、中の切紙が花吹雪のように飛んでいく。

凱陣 の式:競射が終わると奉行は記録所で「止めの太鼓」を鳴らして奉行・射手・諸役は一列に並んで神門前へ向かい、神前に並んだ射手たちは、的に当てた数で競い合う。
最も多く的に当てた者は、奉行の元へと歩み寄り、的を差し出して膝をつく。
奉行は扇を広げて的の穴を確認する。

▶直会:神門での凱陣の儀式が終わった後、奉行や射手や諸役は神酒を受け取り、流鏑馬の神事は完了する。

勇壮な馬の疾駆と見事な弓さばきは、古式ゆかしい雰囲気の中に緊張感と華やかさを添えていました。流鏑馬は単なる技の披露ではなく、五穀豊穣や国家安泰、地域の繁栄を祈る神事でもあり、その歴史的な意味と精神性を改めて学ぶ機会となり、古来から受け継がれる日本の伝統文化の奥深さを実感いたしました。今後も地域の伝統行事や文化に触れる機会を大切にしていきたいと思います。

2025年9月22日